先日、Amazon Prime videoで配信されている「モダン・ラブ~今日もNYの街角で~」というドラマを視聴しました。
僕が好きなジョン・カーニー監督が手掛けたという事もあってウォッチリストに入れていたのですが、ずーっと寝かせたままで約1週間ほどかけてやっと見終わりました。(全8話)
結論として、本当に素晴らしい!!!の一言に尽きます。
Amazonレビューでも星4.5とかなりの高評価でした。
沈んだ気持ちで見ると晴れやかになりますし、ぼーっと見るのにも最適。
それでいて感動したい時に見てもピッタリなので、まだ見たことがない方はいつか絶対見てほしいですね。
モダンラブのあれこれ
まずはこのドラマについて紹介していきます。
キャスト情報
●クリスティン・ミリオティ : マギー : エピソード1、8
●Laurentiu Possa : グズミン : エピソード1、8
●デーヴ・パテール : ジョシュア : エピソード2、8
●Caitlin McGee : エマ : エピソード2、8
●キャサリン・キーナー : ジュリー : エピソード2、8
●アン・ハサウェイ : レキシー : エピソード3、8
●Gary Carr : ジェフ : エピソード3、8
●ティナ・フェイ : サラ : エピソード4、8
●ジョン・スラッテリー : デニス : エピソード4、8
●ソフィア・ブテラ : ヤスミン : エピソード5、8
●ジョン・ギャラガー・Jr : ロブ : エピソード5、8
●ジュリア・ガーナー : マディ : エピソード6、8
●シェー・ウィガム : ピーター : エピソード6、8
●オリヴィア・クック : カーラ : エピソード7、8
●アンドリュー・スコット : トビン : エピソード7、8
●Brandon Kyle Goodman : アンディ : エピソード7、8
●エド・シーラン : ミック : エピソード7、8
●ジェーン・アレクサンダー : マーゴ : エピソード8
●ジェームズ・サイトウ : ケンジ : エピソード8
モダン・ラブはAmazonのオリジナルドラマ
「モダン・ラブ~今日もNYの街角で~」はAmazonのオリジナルドラマなのでPrime会員の方のみ視聴可能となっています。
(通常の映画作品ならPrime非会員の方でもレンタルしてみることが出来ます。)
モダン・ラブの特徴
このドラマは1話完結型のオムニバス形式となっています。
内容はタイトル通り「モダン・ラブ=現代の恋」ということで男女の恋愛模様を描いた作品です。
シーズン2の製作も決まっており、シーズン1の撮影から公開までが2018~2019と1年なので、2020年~2021年春ごろにはシーズン2が公開されるかもしれません。
ジョン・カーニー監督の歴代作品
ジョン・カーニー監督はこれまでに「ONCEダブリンの街角で」、「はじまりのうた」、「シング・ストリート 未来へのうた」と恋愛×音楽を題材にした映画を多数手掛けています。
僕は「ONCEダブリン」を見たときに「なんて美しく、切なさのある映画なんだ…」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。
そこから彼の映画を日本公開されているものは全て視聴し、今回久しぶりに見たジョン・カーニー監督の「モダン・ラブ」でもその美しい世界観は健在でした。
現在、Amazonでは「ONCEダブリン」以外のジョン・カーニー作品を視聴できますのでそちらもぜひチェックしてみてください。
モダン・ラブの感想(ネタバレあり)
ここからは各話の感想を述べていきます。
1話ごとに対する気持ちと感想が薄れてしまうのと、一気見するのがもったいないので少しずつ感想を増やしていく予定です。
エピソード1:私の特別なドアマン
あらすじ
別に普通の友達だった。ただ一方はニューヨークに暮らす独身女性で、もう一方は女が暮らすドアマンだっただけ。男は門番やボディガード、時には親友や父親代わりを務めることで女の面倒を見ていたのだ。
ただのドアマンだけどどこかおせっかいで、マギー(主人公)が連れてくる男に「あの人はダメだ」、「頭が空っぽ」などと何かにつけてダメ出しを付けてくる感じに最初は見ていて??だったのですが、それが毎回的中していると知ってからはなんか面白いかもと惹かれていきました。
30分の中でどう完結するのか予想できませんでしたがマギーが妊娠してからは一気に展開が進みましたよね。
個人的に好きなシーンはグズミン(ドアマン)に泣きつくマギーを慰めるシーンです。ほっこりしました。
時間が経って最後にマギーが連れてきた男性に、即答で「合格」というのも、その意味もシンプルでそういう展開を幾度と見て来てはいるけど、やっぱりハッピーエンディングって気持ちが良いなと感じます。
グズミンとマギーの娘が約束したことも最後叶えられているのが良かったです。
全くと言っていいほど悪いところがないお話でした。
エピソード2:恋のキューピッドは世話好き記者
あらすじ
私は最後の質問を投げかけた。「あなたは誰かを愛したことはある?」と。
彼は「そんな質問をされたのは初めてだ」と言いつつも、最後に「ある」と答えた。
そして「手遅れになるまで、それが愛だとは気づけなかった」と言い、レコーダーを切るように言った。私は停止ボタンを押した。
1話のお話が完璧だったこともあって最初の数分はふわふわしていましたが、主人公ジョシュアの過去の恋愛が始まって~女性記者(ジュリー)の過去話が終わるころにはもう最高の高揚感でした。
街中でジョシュアと訳あって別れた元カノがすれ違うシーンはバタフライエフェクト1のラストに似た切なさを感じました。
こちらも結果はハッピーで終わるのですが、記者の体験と一言がなければジョシュアは一生後悔を背負っていたなと思います。
人生一度きり。特に恋愛の後悔は何歳になっても消えないものだと感じさせられました。
ジュリーが昔愛した人に出会うシーンとその後の決断は目頭が熱くなりますね。
※追記:エピソード8まで見たらジュリーのその後に「どういうこと!?」とツッコミたくなりました。内容を知りたい方は見てください。
エピソード3:ありのままの私を受け入れて
あらすじ
私の私生活は一筋縄ではいかないものだった。恋愛関係で隠し事は禁物。
相手に自分をさらけ出さなければならない。だけど私は、その時の自分が何者であるか、自分でも分かっていなかったのだ。
「レ・ミゼラブル」、「プラダを着た悪魔」など有名作品にて活躍した女優のアン・ハサウェイが出演するという豪華な3話目はミュージカルチックな演出もあってか一見ハッピーに見えました。
しかしそれは話が進むにつれどんどん彼女を蝕んでいきます。
彼女は15歳からの双極性障害(躁うつ病)で気分の浮き沈みが激しいのが悩みなのだと発覚します。
恋愛というテーマではありますが、1つ問題を抱えた女性の話という事で見ていて思わず涙しました。
躁うつ病によってせっかくのデートもドタキャンしたり、気分が乗っていない様子が顔に出てしまい、相手を振り回してしまいます。
レキシー(アン・ハサウェイ)が鏡を見てマスカラを塗りながら躁状態からうつ状態になっていく演技には「がんばれ!がんばれ!…」と心の中で何度も叫びました。
結論ハッピーエンドではありますが、恋愛として成功かどうかはこれからという感じでしたね。
エピソード4:夫婦という名のラリーゲーム
あらすじ
私たちはラリーを続けた。アドレナリンを噴出させながら何としても勝とうと思ってボールを追いかけていたわけではない。
ただラリーが終わらないように、忍耐強く、力を制御して続けていただけだ。この夏も、息子の幼少期も、この試合も終わってほしくなかった。
細かい日々の積み重ねが苛立ちを生み、将来の夫婦像が不安なサラと、身の回りのことはほぼ全てやってくれる状況にいる俳優の夫デニスとのお話です。
冒頭から夫婦仲はあまり良くなく、さっそくカウンセリングに通うところから始まります。
そこで二人には共通の趣味がないことが発覚します。
質問中、お互いの趣味を把握していなかったりするシーンがありこの時点で会話が少ない夫婦。というかお互い壁を隔てている印象でした。
話が進むにつれ夫の空気の読めない様子や妻を蔑ろにする態度には「こういう夫いるよな~」と結婚どころか恋人もいたことがない自分がなぜか共感。笑
結局のところ会話が少ないというのが原因なんです。
本音を正直に伝えない。自分の非を認めない。この2つが上手くいかないと人間関係は険悪になってしまいますよね。
共通の趣味として始めたテニスも最初は全く楽しそうじゃなかったのですが、最後のテニスシーンには全てが詰まっていました。
「自分の非を認める」、「本音を伝える」これを行って初めてお互いを尊重しあえるという事を物語っています。
このお話は将来の自分への教訓として覚えておきたいですね。
エピソード5:デートの幕あいは病院で
あらすじ
ソファからマティーニのグラス目がけて落ちて大量に出血するなんていつ起きてもイヤだけど、いいムードのデートの最中にそんなことするなんて特に最悪。
序盤からエスカレーターで男達の視線を集めるヤスミンと彼女へ寄せられる男たちの視線に焦るロブ。
二人は2回目のデートでありながら盛大にやらかしてしまうわけです。
このお話はなんというか、「相手を知るならまず自分の弱さを見せることが重要だよね」と言っているように思えます。
事件が起きる前の二人は互いに質問をしお互いをよく知ろうとしていますが、ケガをした後の方がヤスミンは深い部分を話してくれます。
それはロブがカッコ悪い部分を見せてくれたからです。
ソファアから落っこちて腕を切ってしまうなんて2回目のデートにしては恥ずかしすぎますからね。
でもそのおかげで二人の仲は一気に縮まります。
ケガする直前二人はベッドに行こうとしていましたが、おそらく一夜を共にしてもここまでお互いを知ることはなかったでしょう。
個人的に最後の会話でロブが「この先何があってもこの一夜は大切な思い出だ。たとえ二度と合わなくても、長い付き合いになってもそうでなくても」の言葉にグッときました。
こんなに縮まった距離なのに関係が終わりを迎えることを知っているような口ぶりです。
ロブの弱気な一面が出ているのかもしれませんが酷な話、僕もなぜか二人の仲は長続きするように思えません。
でもこういう不安定な恋というのも現代らしくてとても好みでした。
エピソード6:パパみたいな人とデート?
あらすじ
彼はかなりのイケメンだった。グレイのタートルネックを着て、ミントのアフターシェーブローションや古い本のニオイを漂わせていた。
彼は55歳で2度目の離婚をしたばかり。彼は私の父親。だけど血はつながっていない。
主人公のマディは父を早くに無くした家庭で育っていたということで歳が30離れたピーターに惹かれます。
だけどそれは「love」じゃなくて「like」の方で、、、
ピーターはそれに気付かず二人の関係はよくない方向に転がってしまいます。
マディの男性をしらない純粋さとピーターの勘違いに胸が痛かったです。
男の人が身内でも何でもない女性に優しくするのは関係を求めているから。
そう言ってしまえばピーターの考えが最低だと思ってしまいますが僕はどちらも悪いと思っています。
実際ピーターも「2人とも悪い」と言っていますしね。
このお話はハッピーで終わることの出来ない問題だなと感じました。マディが年上好きならまだしも本人は全くそういう気がないのですから。
最後は「いつまでも父の面影を追ってはいけない」「大人になるとは何か」に気づいたマディの成長が見てとれます。
でも、マディが去っていくピーターに向かって放った一言が何だったのかモヤモヤするなと感じました。
特にエピソード8まで見終わってからだとモヤモヤします。
エピソード7:僕らが見つけた家族のカタチ
あらすじ
オープンアダプションを選択しても、早く赤ん坊を迎えられるとは限らない…。
それに斡旋機関からは、ゲイのカップルだから、より長く待つ必要があるかもしれないとも言われていた。
ゲイのカップルが抱える問題はたくさんあります。
中でも一番つらいのは子供が出来ないことだと思っています。
このお話はゲイであることに焦点を当てたストーリーではなく、「自由とは何か」「子供を養子として受け入れる覚悟はあるか」を問われる内容でした。
というのも出産の予定を控えている女性(カーラ)がホームレスだからです。
カーラは自由に土地を移動し、スマホにも車にもとらわれない生き方を好んでいます。
でも子供にはその価値観を押し付ける必要はないし、社会を生きていくには大変だからと育て親を探していました。
カーラの生き方には賛同できますが、自由を履き違えてはいけないと感じます。
彼女は出産が近くなると二人のカップルの家に住むことになるのですが、部屋を汚すわ他のホームレスを勝手に招待するわで見ていてちょっと腹が立ちましたね。笑
とはいえ、最後は丸く収まって幸せに幕を閉じます。
きっとこのカップルならこの先待ち受ける困難にも強く立ち向かっていけるなと安心する終わり方です。
エピソード8:人生の最終ラップは より甘く
あらすじ
老人の愛は独特だ。70代や80代にもなると、人生の酸いも甘いも経験し、己が何者かを思い知ったうえで、妥協する術を身につけている。
そして人生のゴールテープはもう目の前に迫っていた。
ケンとマーゴはマラソンを通じて出会った老人同士。
二人はすぐに距離を縮めますがその幸せも長くは続きません。
最終話という事で一体どんな終わりを迎えるのだろうと思っていたら過去の登場人物が全員出てきて本当に感動しました。
舞台は皆ニューヨークの街角ですからそれぞれにフォーカスを当てて再登場です。
その分ケンとマーゴに感情移入できなくなるかと言われれば全くそんなことはなく、短いストーリーながら非常に濃縮されていて涙なしには見られませんでした。
老人の恋って終わりが見えているからこそ儚いんですよね。
マーゴが雨に打たれながらも笑って走るシーンは生きる活力を与えてくれます。
よく長い映画を見た気分と言いますが、それ以上に長い人生を歩んだ気になりました。
まとめ:モダン・ラブで学べる様々な恋愛模様
僕が言えることはただ一つ。
長い人生の内の約240分(8話分)をこのドラマに捧げてください。
恋愛というのはどの年齢、性別、人種に問わず共感できるテーマです。
僕はこれからもこのドラマを人に強くお勧めしていきます。それほど美しく、繊細で感動するストーリーでした。
ジョン・カーニー監督含め出演者の演技力にただただ脱帽です。
それでは✋

コメント