前回の感想からだいぶ時間が空いてしまいました。
この記事を書いている今は小説の2巻と3巻を読み終えており、正直2巻の感想が薄れてしまっています。
なので全体的に薄っぺらく感じるかもしれませんがご了承ください。
このブログではユーフォニアム関連の記事は全くといっていいほど読まれておらず、需要がないのはわかっていますが書きます。笑
だって、周りに話せる人がいないんだもん!!
※注:感想記事なのでネタバレを含みます。未視聴の方はあまり読まないほうが良いでしょう。
響け!ユーフォニアム2の感想※ネタバレ含む
この巻では2年生の希美とみぞれを中心とした問題に迫っていきます。
アニメだと2期の1話~4話辺りまでですね。
希美が部に戻りたいという思いに胸打たれる
希美は熱心が故に先輩と対立して自ら身を引く(部活を辞める)ことになったのですがあすか先輩はそれを受け入れられないんですよね。
この構図は見ていて本当に苦しいんですよ。笑
アニメだと割と淡々と描かれていますが小説ではプールで久美子と話す際、かなり怒りを露にしています。
前の顧問が本気で部活をやりたいと思っている生徒をないがしろにしていた事や、香織や小笠原の頑張りを無しにしてコンクールでは3年を優先させる行為は読んでいてもやるせない気持ちになりました。
自分がもし本気で打ち込みたいと思って入った部活がそんな風に進んでいくのなら辞めてしまうのも無理ないなと思います。
個人でどうこうできる問題ではないですし、ましてや吹奏楽って団体競技なので1度入った亀裂を元に戻すのは難しいでしょう。
こういう経験って青春時代によくありがちなんですよね。
大人になってももちろんありますが青春時代は「楽しさ重視!本気で取り組むのはダサい」とすかしてみたくなる時期です。
そこを切り開くには10代にはどうしても力不足です。
希美は本当に強い精神力と諦めない心を持った人だなと感じます。
辞めた周りの友人が軽音楽や他の活動に打ち込む中希美は外部の楽団に所属していましたからね。
これはアニメにはなかった情報なので余程吹奏楽にこだわっているんだ、それなのに部に戻れないなんて悔しいだろうな。と胸打たれ思わず涙しました。笑
ただ熱さを持つその反面、人の気持ちをうまく読めない部分が自身の首を絞めているのですがね。
あすかの立場になって考えるのぞみぞ事件について
あすかが希美を部に戻さない理由は「みぞれが希美を見るとダメになってしまうから」ということでしたが、それは部のことを考えているようで自身のことを考えている部分もありました。
それについては3巻で詳しく話しているのでここでは触れないでおきます。
全部知ったうえで見る一連の騒動はあすかにとって至極煩わしく思ったでしょうし、罪悪感もあったと思います。
故に「人って案外打算的に動くもの」というセリフは自身を強く表していますからね。
自分がそうだから他人もそうだと思い込むのはあすかの悪いところですよね。
久美子にそんなことないと否定されていましたし。笑
自分があすかの立場なら…
この一件をもし、自分があすかの立場ならと考えてみます。
おそらく希美とみぞれを早く会わせて仲直りさせていたでしょう。
理由はいくら大会があるとはいえ本力じゃないみぞれのソロを聞かせても上を目指せないからです。
それなら全力で力を出してもらうために賭けるしかありません。
いつかはぶつからないといけない問題ですし、モヤモヤしますからね。
ただ、それは結果2人が仲直りできることを知っているからであって、もしみぞれが心に深い傷をおってしまったら部活に来ることすらなくなってしまうかもしれないわけですよね。
そうなれば結局はあすか先輩と同じように入部を遅らせる形にするかもしれません。。。
う~ん、難しい…
二年生の4人が大人びている件
この作品に登場する二年生って大人びていませんか?
優子は一見先輩LOVEなめんどくさい女子だけどみぞれの境遇を理解してずっと支え続けていました。あすか先輩ものぞみぞ事件のMVPは優子と言っているぐらいの働きっぷりです。
夏紀は希美の頑張りを陰で見ていて、当時上手くフォローできなかった不甲斐なさを払拭するために再入部の手助けをしてあげる義理固い熱い人物。
希美は周りに流されず物事を本気で取り組むことができ、再入部時も必ず筋を通して戻ろうとする真面目さを持っています。
みぞれは希美しか見えていないようにみえて周りの目をとても気にしている(考えている)一面を持ち合わせていました。(コンクールで良い結果を残すことに辞めていった人達へ申し訳なさを感じている点から考察)
この4人の関係性ってちょっと指でつつけば崩れてしまいかねないと思うんですよ。
みぞれ一筋の希美をずっとケアしてきた優子が爆発していたら全部消滅していたことでしょう。よく耐えたものです。
初登場時はずっと先輩LOVEなキャラで通していくものだと思っていたのが作品を読み解いていく度に好感度が上がり、溢れ出る人柄の良さにはとてもギャップを感じました。笑
のぞみぞの事情を知らなかった夏紀
夏紀が希美とみぞれの事情を知らなかったのが不思議でたまらないんですよね。
やっぱり南中から続いている仲と高校から吹奏楽に入った夏紀との間には少し距離があるのでしょうか?
それでも優子との仲を見るからに話を聞いててもおかしくないですけどね。
この作品の人物たちは問題を口外したがらない傾向にあるのがどこか冷ややかに感じます。
あすかも自身の話は久美子がこじあけるまで話しませんでしたし、後藤も「去年の話は知らなくていい」といった様子で話したがりませんでした。
優子と夏紀は表面上仲悪くしていますが仲いいのは周知の事実であって、この問題を離さないような仲ではないと思ったのですが本当にあまり仲が良くないんですかね。笑
夏紀が希美を部に連れてきた時点で一応言っておけば理解も早かっただろうに。
まあ、優子は夏紀を困惑させたくなかったのかなとも思います。
夏紀が希美を戻そうとしている時に言ってしまえば夏紀はどうしたらいいか分からなくなってしまうから。とアニメで言っていた気がします。(あまり覚えていなくて申し訳ないです…)
全てを背負う優子先輩マジ尊敬ですね…
2年生組が主役の1年組を完全に食っている件について
この作品の主人公は黄前久美子なので全ての事件には久美子が関わってきます。
が、のぞみぞ事件に限っては2年生組のこれまでの思いや感情が爆発していて完全に久美子含め周りの1年生キャラを食っています。
人気があった証拠に「リズと青い鳥(映画)」では希美とみぞれが主人公となって展開されていきますからね。
凄いですよね。メインではないキャラを主人公とした作品って大体本編よりは人気が出なかったりおまけ的扱いになるのですが「リズと青い鳥」に関しては本当にファンが多いです。
僕も本編そっちのけで一時期酔いしれていました。笑
久美子が周りに巻き込まれやすい(馴染みやすい)キャラだからこそモブキャラが際立つというのもありますね。
とにかく2巻とアニメ2期1話~4話は久美子に関する話じゃないのにめっちゃ面白かったんですよ。
個人的には3巻(あすか編)より好きです。
男の友情もいいけど女子の友情も熱くていいですよね…
音楽を評価付けすることについて考える
ここからは感想ではなく、のぞみや優子が言っていたように「コンクールは審査員の評価で決まってしまう」「決してふざけているわけじゃないし、結果が出なかったら今までの頑張りは無くなってしまうのか」という問いに対して考えていきます。
音楽に正解も不正解もない
テストに答えがあるように譜面にも答えが載っていますよね。
でも音楽はその答えを飛び越えて演奏しても間違いではないのが自由でいて難しいところなんです。
頑張りは報われないと当然やってられないでしょう。でもコンクールに関しては結果が出ないというだけで否定された気になってしまいます。
音楽を評価するというのはそういう事なんです。
人の努力を切り裂く、人の感情を勝手に評価する。こんなことを日常的に自分たちも行っていますよね。
ただでさえ人の作る音楽に正解も不正解もないのにそれに沿って上手くできた、上手くできなかっただけで評価するのはあまりにも酷だと感じます。
それでも、コンクールに出たい。上を目指したいと思うのは人の身勝手な評価が糧になるからでしょう。
僕自身も人に評価されない音楽は成長しないと思うし、価値がないのではと思うこともあります。
それを踏ま得て考えると、人を感傷的にさせたり人を成長させる審査員という立場は責任重大ですね。
特に吹奏楽なんて、人数の多い楽団に対して少人数の審査員に評価されるわけですから「この人本当に隅々まで音を聞いて評価してるのか?」と苦言を呈したくなるのもわかります。
結局は人によって感じ方の違う分野なのだから、審査員でもない自分たちが日常で音楽に対してあーでもないこうでもないと評価するくらいならその曲の良い部分を見つけなさいという話ですね。
響け!ユーフォニアム感想のまとめ
全体を通して2巻はとても好きな内容でした。
女子の友情に部への熱い思い、何度見てもこの作品は素晴らしい作品だなと思います。
お世辞抜きにたくさんの人に知ってもらいたいなと感じています。
アニメは3期も製作決定しているから
見たことがない人は絶対見るべし。
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